Mar 31, 2012

ある画家の回顧展


先月の話になりますが
ある画家の遺作展を観て来ました。

彼は、プロ画家の道ではなく
実家の呉服屋の仕事をしながら
地元での作品発表のみに終始した。

彼の母校である高校美術部の後輩たちは不思議がる。

これほどまで画力をお持ちなのに
なぜ中央画壇への進出を考えられなかったのか?と。

しかし、僕にはなんとなく彼の気持ちが
わかるような気がする。

画家の歩み道は、単線レールのように
一本だけとは限るまい。
いろんな道があっていいのではないか。




Dec 31, 2011

Asuka Art Project 2011

詳細は後日。

Oct 26, 2011

HANARART(はならあと)


今年も、奈良でアート・イベントがありました。

そういえば昨年もNARA ART PROM 2010というアート・イベントがありましたね。それとの違いは、奈良・町家の芸術祭 HANARARTは、県内で活動するまちづくり団体主催のイベントであるところ。

名前は、HANA(華)、NARA(奈良)、ART(アート)を結びつける意図から由来したようです。

今回観て来たのは、今井町と八木会場。どちらも古く趣きがある町家が多く残っている地域です。ゆっくり散策してみるだけでも楽しめます。

ただ本来、町家はアート作品を展示するように出来ていません。そこにアート作品を展示する以上何らかの工夫が必要となってくると思います。その視点から観せて頂きました。


ここは、今井町の町家の裏にある
土蔵がギャラリーになっているところ。
ぶ厚い扉が印象的です。


土蔵の中はご覧の通り。
日頃からギャラリーとして
使われているので
通常の展示方法で
OKのようです。


こちらは、JR畝傍駅から
歩いてすぐの春日神社。


奈良芸術短大OBの方々の作品。
鴨居にフックをかけて展示されています。

こちらは八木にある河合家です。
家(の模型?)が
畳の上に展示されていました。

模型の家の内側から
電球で照らされて幻想的です。
黒い毛氈(もうせん)を
敷いた方がもっと効果的かな?

展示会場をもう少し暗くした方が作品が映えると思います。写真では暗く見えますが、実際はもっと明るいのです。





最初にも書きましたが、こういったアート・イベントを鑑賞して、いつも思うのはその展示方法。

同じく町家で行われたNARA ART PROM 2010の時もそうだったのですが、今回のHANARARTでも当然のことながら柱や壁に釘などが打てないそうで、平面作品はイーゼルを立てる他ないのです。立体作品は畳の上に置けるのでいいのですが…

写真には撮りませんでしたが、中には意図しているのか、それとも良い展示アイデアが浮かばなかったのか、畳の上に直に置いたり、壁や襖に立てかけてあるだけの作品もありました。あれでは作品の良さが引き出せないのでは、と感じました(もちろん町家に合った展示をされている作家さんもありました)。日本古来からある、襖、掛け軸、屏風、衝立(ついたて)などに、町家での展示のヒントがあるように思うのですが…。

なんだかあら探しのようになってしまいましたが、来年もまた開催されることを望むと同時に、もっとよくなって欲しいと思います。

Oct 17, 2011

かかしコンテスト2011

棚田の里の花嫁行列(最優秀賞)

案山子(かかし)は本来
田畑の作物を狙うカラスなどから守るために作られるものですが
その案山子をアート作品にして競い合おうという趣旨で
始められたのが、この「かかしコンテスト2011」。

場所は
明日香村(奈良県)の稲渕。

美しい棚田を縫う道端に
約60体ものかかしが
出迎えてくれます。



今回のコンテストのテーマは、「絆(きずな)」。
いくつか紹介いたしましょう。


♪親亀の背中に子亀を乗せて~
これは、親子亀5世代くらいでしょうか。


家族そろって
どこかへお出かけですか?
いいですなあ。


タイトルは「赤ちゃん誕生」。
やはり子供は、まわりを和ませます。


おばあちゃん、孫娘、犬(ポチ?)、仔犬。
一番好きな案山子です。


今年は、これが絶対あると思いました。
「なでしこジャパン」、
すばらしい活躍でしたものね。


東日本大震災での
自衛隊の救助活動には
頭が下がる思いです。

タイトルは「68時間ぶりの救出」。


今年の巨大かかしは、聖観音立像。
思わず手を合わせて、「ナム~」。


「発車オーライ!」
金かめバスは
村内を走る循環バス。


「じいさん、お茶が入ったよ」
「ありがとうよ、ばあさん」


飛騨地方の「さるぼぼ」に似た
こんな愛くるしい案山子も。

来年はどんな案山子か、今から楽しみです。

Mar 30, 2011

たいぞう展 「時」


関西以外では、あまり馴染みがないかもしれませんが
吉本興業のタレントに、たいぞうさんという方がおられます。

たいぞうさんは、お笑い芸人である一方で、絵も描いておられます。

そのたいぞうさんの個展が、近鉄百貨店橿原店で先日ありましたので
行って参りました。

たいぞうさんの絵を見るのは、今回が初めてです。
絵の特徴は、とてもカラフルで、やさしさが感じられます。

特に驚いたことは、ほとんどの絵が売約済みだったこと(←そこかよ!)
だいたい3~5万円ぐらい、高くとも11万円と
絵にしては手頃な価格ということも、あったのでしょうか?

それに、大きさも3~4号相当のサイズ。
一般的な日本のご家庭で、飾っておきやすい大きさなのかもしれませんね。
なるほど、勉強になりました。

Oct 12, 2010

御所の空き地展


まずは、上の写真をご覧下さい。
古民家の壁に、お札のようなものがベタベタと
貼り付けられていますが、怪しげな新興宗教ではありません。

前記事でも書きました奈良アートプロム2010の
NARAコテンパンダン展のひとつである
「御所の空き地展」の会場なのです。

「御所の空き地展」は、そのチラシが市内の某所に
貼ってあったのをたまたま見て知りました。

面白そうなので、先日鑑賞に行って参りました。

場所は、奈良県の御所(ごせ)市櫛羅(くじら)。
近鉄電車の尺土線の御所駅より、西へ行くこと2kmぐらい。

納屋

牛小屋

今では使われなくなった農家(納屋、牛小屋)を
利用しているようです。牛小屋があるくらいですから
結構古いものではないでしょうか。

ここで、30名弱の作家たちの作品が展示されています。
作品の種類は、インスタレーション、彫刻や平面作品など。

怪しげな雰囲気は、十分漂っています。
お化け屋敷のようで
何が飛び出して来るか、ワクワクします。

それでは、じっくり観ていきましょう。

…と思ったのですが、それぞれの作品にキャプションがなく
作品のタイトルはおろか、どれが誰の作品すらもわかりません。

これは困ったと思った反面、それはそれで面白いかとも思いました。
屋外のインスタレーションなどは、作品とそうでないものの境界が
非常に曖昧となり、作品を見つけ出す作業もまた楽しい。


たとえば、こんな風に
トタンが巻かれたものや

軒下に並べられた絵具の皿なども
もしかしたら、作品なのかもと
思ってしまいます。

実際に作品なのかもしれませんが…。

勿論、明らかに作品と思われるものも
ちゃんとあります。


石油怪獣ベスターのようなもの。


トコロテンの塊のようなもの。


お地蔵さんのような盛り土。


牛乳瓶受け箱の上に
花が活けてありました。
まさか、この中には
ないだろうと思ったら


チョコボールの仏様(?)が
鎮座ましましておりました。

思わず、合掌。南無~。
どんなご利益があるのでしょうか。

こういった宝探し的な
楽しみ方も出来るようです。


中には、実用的な作品もありました。
座る所が瓦になっている椅子。
ちょっとおしゃれです。
これは、欲しくなりますね。




彫刻や、平面作品などは屋内に展示されていました。
平面作品が少なく、物足りない感じはしましたが…。

参加作家さんたちが楽しんでやってらっしゃる
雰囲気は十分伝わって来ます。
たとえるな、文化祭のような感じでしょうか。

欲を言えば、なんらかの形で
作品コンセプトなどの解説があった方が
もっと楽しめたかもしれません。

これからも、こういったアートイベントが
地元で、もっと盛んになることを望みます。

Oct 8, 2010

奈良アートプロム2010

今秋の奈良は、平城遷都1300年祭で盛り上がっていますが
それに合わせるように、奈良では今もうひとつのイベントが催されています。

それが、「奈良アートプロム2010」。

奈良アートプロム(以下NAP)は、奈良に現代美術作家の発表の場、
批評の場を作るために企画されました。
奈良市街、および県内の各地を会場に、同時多発的に開催される
アート・イベントなのです。

NAPは、奈良市内にあるギャラリー(のオーナー)の他、有志が
中心となって運営されているようです。

そのNAPの中心的なイベントとなるのが
今回訪ねたNARAコテンパンダン展。

変な名前の展覧会ですが、おそらく「アンデパンダンテン展」
(出展審査のない展覧会)をもじったものなのでしょう。
また、作品の批評の場ということで、「こてんぱん」に批評されることをも
念頭においているのでしょうか。

NARAコテンパンダン展は、奈良市、橿原市、生駒市、御所市、
けいはん地区など奈良県下の各地で開催。
120組以上の作家が出展しています。


今回、訪ねたのは、今井町(橿原市)。
今井町は、江戸時代の町屋が今も残り、風情ある所。
重要文化財に指定されている旧家もあります。


今井まちなみ交流センター「華甍(はないらか)」の玄関先に置いてある
NAPのパンフレット、今井町会場のマップをもらって観覧ツアースタートです。


最初に訪ねたのは、森本さんの個人宅のガレージで
展示している西村大樹氏の平面作品。

写真(印画紙)を線香の火などで焼いて
それをアルミ板に定着させるユニークな手法らしいのですが
説明を一度聞いたのですが、今ひとつよく分からないかったです。
でも筆や版画では決して表現できない
非常面白いマチエールの作品でしたね。

作品サイズが非常に小さい(大きくとも手のひらサイズ)のが
少し残念なのですが、作家曰く、そのサイズでないと出来ないとのこと。
元絵を拡大してパネルにすると、また違った面白みが出るかもしれませんね。


次は、嘉雲亭(かうんてい)。民宿の1階が会場。
ここでは写真家・朝河孝元氏の展示方法が非常に興味深かったです。


展示会場が、架空の作家「今井」氏の執筆現場という想定。
奥の座敷に、庭に面するように机が置かれ
その机の上には白紙の原稿用紙。
机のまわりには、いろんな雑誌や本が散らかっていたり
丸められて放り捨てられた書き損じの原稿用紙もあったり…

その雑然とした本や雑誌の中に、作品(写真)が無造作に
散りばめられています。一風変わった展示方法で最初は面食らいましたが
なるほど、こういうのもありかと思いましたね。


重要文化財の旧米谷家(きゅう・こめたにけ)では
平面作品が中心の展示。ここの展示には仰天しました。

額装した絵が座敷の畳の上に整然と並べてあるだけ。
最初は、まだ展示準備中なのかなと思ったほど。

場所(家)が重要文化財なので、釘など打ったりできず
絵をかけることができず、結果こういう展示になったのでしょう。

なるほど、さきほどの朝河氏の展示も
こういった理由がゆえの結果かもしれないですね。
でもさすがに、この展示には抵抗があります。

こういうケースの時は、簡易イーゼルが考えられますが
そのためだけにイーゼルを用意するのも、経済的に困難でしょうし
イーゼルを立てるスペースが必要なため
あまり多くの絵を展示できなくなる問題もあり、一長一短。

まあ、せめてテーブル(長机)を用意して、その上に並べるかして欲しい。
と思いましたが、それだとかえって絵が鑑賞しにくいか。


今井まちや館、恒岡金物町屋では
平面作品や陶芸などの立体作品の展示。
このあたりは若い作家さんの出展が多いのか、会場は賑わっていましたね。

今井町にもギャラリーが一軒だけあるようです。


ここでは、薮本栄衛氏の元気童子展をやっていました。
陶製の童子人形なのですが、どれもユーモラスで楽しげ。

一体欲しくなりましたが、結構なお値段で手が出なかったです。
自分で作ってみたくなりますね。

以上、NARAコテンパンダン展(今井町会場)の様子でした。

NAPは、ビエンナーレ(2年に一回)やトリエンナーレ(3年に一回)ではなく
トビエンナーレ(2、3年に一回、つまり飛び飛び?)で
今後も実施していくとのこと。期待が高まります。

こういったアートイベントは今後も続けていって欲しいですね。