Oct 26, 2011

HANARART(はならあと)


今年も、奈良でアート・イベントがありました。

そういえば昨年もNARA ART PROM 2010というアート・イベントがありましたね。それとの違いは、奈良・町家の芸術祭 HANARARTは、県内で活動するまちづくり団体主催のイベントであるところ。

名前は、HANA(華)、NARA(奈良)、ART(アート)を結びつける意図から由来したようです。

今回観て来たのは、今井町と八木会場。どちらも古く趣きがある町家が多く残っている地域です。ゆっくり散策してみるだけでも楽しめます。

ただ本来、町家はアート作品を展示するように出来ていません。そこにアート作品を展示する以上何らかの工夫が必要となってくると思います。その視点から観せて頂きました。


ここは、今井町の町家の裏にある
土蔵がギャラリーになっているところ。
ぶ厚い扉が印象的です。


土蔵の中はご覧の通り。
日頃からギャラリーとして
使われているので
通常の展示方法で
OKのようです。


こちらは、JR畝傍駅から
歩いてすぐの春日神社。


奈良芸術短大OBの方々の作品。
鴨居にフックをかけて展示されています。

こちらは八木にある河合家です。
家(の模型?)が
畳の上に展示されていました。

模型の家の内側から
電球で照らされて幻想的です。
黒い毛氈(もうせん)を
敷いた方がもっと効果的かな?

展示会場をもう少し暗くした方が作品が映えると思います。写真では暗く見えますが、実際はもっと明るいのです。





最初にも書きましたが、こういったアート・イベントを鑑賞して、いつも思うのはその展示方法。

同じく町家で行われたNARA ART PROM 2010の時もそうだったのですが、今回のHANARARTでも当然のことながら柱や壁に釘などが打てないそうで、平面作品はイーゼルを立てる他ないのです。立体作品は畳の上に置けるのでいいのですが…

写真には撮りませんでしたが、中には意図しているのか、それとも良い展示アイデアが浮かばなかったのか、畳の上に直に置いたり、壁や襖に立てかけてあるだけの作品もありました。あれでは作品の良さが引き出せないのでは、と感じました(もちろん町家に合った展示をされている作家さんもありました)。日本古来からある、襖、掛け軸、屏風、衝立(ついたて)などに、町家での展示のヒントがあるように思うのですが…。

なんだかあら探しのようになってしまいましたが、来年もまた開催されることを望むと同時に、もっとよくなって欲しいと思います。